はじめに|「続かない=本人の問題」になっていない?
臨床で、こんな場面はありませんか?
- 病棟ではできていたのに、家ではやらない
- 声をかけないと動かない
- 「続けましょう」と言っても定着しない
つい
「意識の問題かな」
「性格かもしれない」
と感じてしまいます。
自分も同じでした。
ですがMOHO(人間作業モデル)で考えるようになってから、
「続かないのは習慣の問題」だと気づきました。
この記事では、
習慣化の視点と
臨床でどう関わるかまで解説します。
MOHOでいう「習慣化」とは何か
MOHOにおける習慣化とは
👉 生活の中で繰り返される行動の“型”
です。
- 生活リズム
- 日課
- 役割
- 環境との関係
👉 つまり
その人の生活そのものです。
「続かない」の本当の理由
MOHOでは
👉 「やる気がない」ではなく
👉 「やる型がない」
と考えます。 (リハビリの世界)
【症例】家に帰るとやらなくなる患者さん
ある患者さんは
- 病棟では毎日訓練できる
- でも退院後は全くやらない
という状態でした。
最初は「意識の問題」と考えましたが、
整理すると👇
- 時間が決まっていない
- やる場所がない
- 声をかける人がいない
👉 生活の中に組み込まれていない状態でした。
なぜ習慣は崩れるのか
入院や病気によって👇
- 生活リズムが崩れる
- 役割が失われる
- 環境が変わる
👉 これにより
行動の“きっかけ”が消えます
では、どう関わるか?(ここが重要)
① 「いつやるか」を決める
👉 習慣はタイミングで決まる
例:
- 朝食後にストレッチ
- 入浴前に運動
👉 「やる時間」を固定する
② 「どこでやるか」を決める
👉 環境が行動を引き出す
例:
- テーブルの上に道具を置く
- 見える場所に配置する
👉 見える=やるきっかけ
③ 小さく始める
👉 続かない原因は「ハードルが高い」
例:
- 10分 → 3分
- 全部 → 一部
👉 成功体験を優先
④ 役割と結びつける
👉 「やる理由」を作る
例:
- 家事の一部としてやる
- 家族のためにやる
👉 意味があると続く
⑤ 繰り返す(ここが本質)
👉 習慣は「回数」で決まる
- 同じ時間
- 同じ場所
- 同じ行動
👉 これを繰り返す
NGになりやすい関わり
- 「頑張って」と伝えるだけ
- やる気に頼る
- 一気に負荷を上げる
👉 習慣化は失敗しやすくなります
まとめ
MOHOで見ると
- 続かない理由は
👉 「意識」ではなく「構造」
です。
そして重要なのは
👉 やる気ではなく、やる仕組みを作ること
最後に
リハビリが続かない背景には、
必ず理由があります。
それを
- 生活リズム
- 環境
- 役割
の視点で見ていくことが、
作業療法らしい支援につながると感じています。
※注意書き
本記事は、作業療法における一般的な理論的考え方を紹介することを目的としています。
個別の評価・治療・判断については、必ず担当の専門職と相談してください。
参考文献・参考資料
- 作業療法実践の理論
Gary Kielhofner(著), 山田孝(監訳).医学書院. - Kielhofner, G. (2008).
Model of Human Occupation: Theory and Application (4th ed.).
Lippincott Williams & Wilkins. - Kielhofner, G. (2017).
Model of Human Occupation: Theory and Application (5th ed.).
Wolters Kluwer.

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