はじめに|「作業療法ってこれでいいのかな?」と感じたことはありませんか?
作業療法をしていると、
- 理学療法士と同じことをしている気がする
- 「作業療法らしさって何?」と聞かれて答えられない
- 目標設定や関わりに迷う
そんな違和感を感じたことはありませんか?
自分も同じでした。
技術や知識の問題ではなく、
“考える軸”がなかったことが原因でした。 (リハビリの世界)
MOHO(人間作業モデル)は、
その軸を与えてくれる理論です。
MOHOとは何か
MOHO(Model of Human Occupation)は、
👉 人がどのように作業を選び、行い、続けていくのかを説明する理論
です。
人の行動を次の4つで捉えます。
- 意志(やりたい・大事・できそう)
- 習慣化(生活リズム・役割)
- 遂行能力(身体・認知+体験)
- 環境(周囲との関係)
👉 この4つが相互に影響しながら
人の行動が決まります
なぜMOHOが必要なのか
臨床ではよく
- できるのにやらない
- リハビリが続かない
- 意欲が低い
といった場面に出会います。
機能だけでは説明できないこれらの問題に対して、
MOHOは👇
👉 「生活の流れ」として説明できる
理論です。
MOHOの4つの視点(シンプルに理解)
① 意志|なぜやろうと思うのか
- 価値(大事か)
- 興味(やりたいか)
- 有能感(できそうか)
👉 行動の“きっかけ”
② 習慣化|どう生活に組み込まれているか
- 生活リズム
- 日課
- 役割
👉 行動の“流れ”
③ 遂行能力|実際にできるか
- 身体機能
- 認知機能
- 主観的な体験
👉 行動の“実行力”
④ 環境|周囲がどう影響するか
- 人
- 物
- 場所
👉 行動の“条件”
【臨床でどう使うか】ここが一番大事
MOHOの価値はここにあります。
① 「やらない理由」を分解する
例:
患者さんが活動しないとき👇
- 意志の問題?
- 習慣が崩れている?
- 遂行体験が低い?
- 環境が合っていない?
👉 原因を構造で考えられる
② 関わり方を選べるようになる
例:
- 意志 → 意味のある活動にする
- 習慣 → 生活に組み込む
- 遂行能力 → 成功体験を作る
- 環境 → 行動しやすくする
👉 “どこに介入するか”が明確になる
③ 作業療法を説明できるようになる
MOHOを使うことで👇
- チーム
- 家族
- 学生
に対して
👉 なぜこの関わりをしているのか説明できる
【症例】MOHOで見方が変わったケース
ある患者さんは
- 活動に参加しない
- ベッド上で過ごすことが多い
という状態でした。
当初は「意欲低下」と考えていましたが、
- 役割がない(習慣)
- 成功体験が少ない(意志)
- 環境が受動的(環境)
と整理すると👇
👉 「やる気がない」ではなく、行動できない状態
と理解できました。
そこから
- 小さな成功体験を作る
- 生活に組み込む
ことで、徐々に活動が増えていきました。
まとめ
MOHOは
- 人の行動を「生活の流れ」で捉える理論
です。
そして重要なのは👇
👉 やる気ではなく、構造を見ること
最後に
MOHOは、正解を教えてくれる理論ではありません。
👉 考え続けるための道具
です。
もし今、臨床で迷っているなら
MOHOは大きなヒントになると思います。
参考文献・参考資料
本記事は、以下の文献・資料を参考にしつつ、筆者(現役作業療法士)の臨床経験をもとに内容を再構成しています。
- 作業療法実践の理論
Gary Kielhofner(著), 山田孝(監訳).医学書院. - Kielhofner, G. (2008). Model of Human Occupation: Theory and Application (4th ed.). Lippincott Williams & Wilkins.
- Kielhofner, G. (2017). Model of Human Occupation: Theory and Application (5th ed.). Wolters Kluwer.
- Law, M. et al. (1998). Client-centered practice in occupational therapy. American Journal of Occupational Therapy, 52(1), 49–56.
※注意書き
本記事は、作業療法における一般的な考え方を紹介することを目的としています。
個別の評価・治療・判断については、必ず担当の専門職と相談してください。

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