作業療法士が人間作業モデルをわかりやすく解説
はじめに|作業療法って、これでいいのかな?
作業療法をしていると、ふとこんな違和感を覚えることがあります。
私自身も、臨床で同じようなモヤモヤを感じてきました。
そんな中で出会ったのが、MOHO(人間作業モデル:Model of Human Occupation)という考え方です。
この記事では、
MOHOを専門用語をなるべく使わず、「考え方」だけに絞って解説します。
機能訓練だけでは説明できない違和感
筋力や関節可動域が改善しているのに、
こうした場面は、臨床でよくあります。
これは評価や訓練が間違っているというより、
「人を見る視点」が足りていないだけかもしれません。
MOHOは、こうした違和感から生まれた理論です。
MOHOは「やり方」ではなく「見方」
MOHOは、
「この訓練をすればよい」という技法のマニュアルではありません。
MOHOが提供しているのは、
人が作業をする理由を考える見方です。
こうした問いを、性格や意欲の問題にしないための枠組みがMOHOです。
人はなぜ作業をするのか
MOHOでは、人は次のような存在だと考えます。
人は、意味のある作業に関わりながら生活している存在である
ここでいう「作業」とは、
仕事やリハビリだけでなく、
すべてを含みます。
つまりMOHOは、
「人の生活全体」を見るためのモデルです。
MOHOの3つの柱だけ覚えればOK
MOHOでは、人の作業を次の3つの視点で捉えます。
① 意志(Volition)
意志は、単なる「やる気」ではありません。
② 習慣化(Habituation)
病気や入院で、習慣は簡単に崩れます。
③ 遂行能力(Performance Capacity)
MOHOでは、主観的な体験も重視します。
この3つが、互いに影響し合いながら作業が成り立つ、
というのがMOHO(人間作業モデル)の基本的な考え方です。
MOHOを知ると何が変わるのか
MOHOを知ると、見え方が少し変わります。
問題を人の内面や性格のせいにしなくて済むようになります。
まとめ|MOHOは迷ったときの地図
MOHO(人間作業モデル)は、
作業療法で
「これでいいのかな」と立ち止まったとき、
MOHOは、人を“作業する存在”として見直す視点を与えてくれます。
次の記事では、
なぜMOHOが必要とされたのかを、もう少し背景から整理していきます。
参考文献・参考資料
本記事は、以下の文献・資料を参考にしつつ、筆者(現役作業療法士)の臨床経験をもとに内容を再構成しています。
- 作業療法実践の理論
Gary Kielhofner(著), 山田孝(監訳).医学書院. - Kielhofner, G. (2008). Model of Human Occupation: Theory and Application (4th ed.). Lippincott Williams & Wilkins.
- Kielhofner, G. (2017). Model of Human Occupation: Theory and Application (5th ed.). Wolters Kluwer.
- Law, M. et al. (1998). Client-centered practice in occupational therapy. American Journal of Occupational Therapy, 52(1), 49–56.
※注意書き
本記事は、作業療法における一般的な考え方を紹介することを目的としています。
個別の評価・治療・判断については、必ず担当の専門職と相談してください。


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