認知症の症状と対応 part3

学生向け

こんにちは、現役作業療法士のスマティーです。

認知症では、認知機能の低下に加えて、抑うつや不眠、摂食障害など、さまざまな行動・心理症状が出現します。

これらの症状は環境や体調の影響を受けやすく、早期の気づきと適切な関わりが重要です。
本記事では、代表的な症状について特徴と対応のポイントを簡潔に整理しました。

今回は、part3になります。まだpart1part2を見てないよって方がいましたらどうぞ。

じゃあ、さっそく見ていきましょう!


昼夜逆転・夜間せん妄(Night delirium)

特徴

高齢者では睡眠の問題が起こりやすく、軽い体調変化や環境の変化をきっかけに不眠や昼夜逆転が生じることがあります。
昼夜逆転が進むと、夜間せん妄を伴うことも少なくありません。

夕方から夜にかけて症状が強くなることが多く、夕暮れ症候群とも関連が深いとされています。

対応のポイント

  • 騒音・照明・室温など、夜間の環境を整える
  • 痛み、かゆみ、脱水など身体的不調がないか確認する
  • 夜間の過剰な刺激や介入を減らす
  • 転倒や徘徊などの危険がないか注意する
  • 日中は適度に体を動かし、日光を浴びる
  • 可能であれば、家族など安心できる人に付き添ってもらう

徘徊(Wandering)

特徴

徘徊とは、目的がはっきりしないまま歩き回る行動を指します。
何かを探している場合や、目的なく歩く場合、夜間にみられる場合など、さまざまな形があります。

不安や混乱、身体的不快感が背景にあることも多くみられます。

対応のポイント

  • 起こる時間帯や場所、きっかけを把握する
  • 痛みや体調不良、脱水がないか確認する
  • 目的が分かる場合は、その理由に対応する
  • 不安を和らげる声かけや付き添いを行う
  • 一緒に歩く、話題を変えるなどして気分転換を図る
  • 迷子や事故を防ぐための見守り体制を整える

常同行動(Stereotypy)

特徴

常同行動とは、同じ行動や言動を繰り返す状態を指します。
認知症の進行に伴い、行動の柔軟性が低下し、決まった行動パターンに強くこだわるようになります。

行動を無理に止められると、興奮や怒りにつながることがあります。

対応のポイント

  • 繰り返し行動の内容や頻度を把握する
  • 行動を頭ごなしに止めず、安全を確保する
  • 散歩などの場合は、水分補給や体調に配慮する
  • 問題行動につながる場合は、別の安心できる行動に置き換える
  • 周囲の環境を調整し、本人が落ち着いて過ごせるようにする

参考文献・参考資料

・厚生労働省『認知症施策推進大綱』厚生労働省,2019.

・日本神経学会『認知症疾患診療ガイドライン2017』医学書院.

・日本老年精神医学会『BPSD(認知症の行動・心理症状)への対応ガイドライン』日本老年精神医学会.

・日本老年医学会『高齢者ケアの意思決定プロセスに関するガイドライン』日本老年医学会.

・標準作業療法学 認知症 奈良勲・他 編,医学書院.

・作業療法臨床実践ガイド 認知症 日本作業療法士協会 監修,協同医書出版社.

認知症ケアのパーソン・センタード・ケア トム・キットウッド著,筒井書房.

・Alzheimer’s Association Dementia Care Practice Recommendations Alzheimer’s Association.

・World Health Organization Dementia: A Public Health Priority WHO, 2012.

・老年期精神障害の臨床 新井平伊 編,南江堂.

家族向けシリーズ|ここまで読んでくださった方へ

※注意書き

本記事は、作業療法における一般的な考え方を紹介することを目的としています。
個別の評価・治療・判断については、必ず担当の専門職と相談してください

コメント

タイトルとURLをコピーしました