はじめに
実習や臨床で、こんなふうに悩んだことはありませんか?
- 「やる気がない患者さん」と感じてしまう
- 何を評価すればいいのか分からない
- 目標設定がしっくりこない
自分も同じでした。
正直、最初は「これって本当に作業療法なのか?」と感じながら、なんとなくリハビリをしていました。
ですが、MOHO(人間作業モデル)を学んでから、
患者さんの“見え方”が大きく変わりました。
この記事では、作業療法士として臨床で実際に感じた
「MOHOを学んで変わったこと」7つを、具体例を交えて解説します。
①「やる気がない」で終わらなくなった
以前の自分は、活動に参加しない患者さんを見ると
「意欲が低い」と考えていました。
ですがMOHOを学んでからは、
意志(volition)・習慣・環境などの視点で考えるようになりました。
臨床での気づき
例えば、ある患者さんは声をかけないと何も行動しませんでした。
最初は「やる気がない」と思っていましたが、よく話を聞くと
- 入院で生活リズムが崩れている
- 役割がなくなっている
- 何をしていいか分からない
という状態でした。
👉 つまり「意欲の問題」ではなく、
習慣と環境の問題だったのです。
② 評価の視点が明確になった
以前は「とりあえず評価する」という感覚でしたが、
MOHOを学んでからは
- 意志
- 習慣化
- 遂行能力
- 環境
という枠組みで整理できるようになりました。
臨床での変化
評価で迷うことが減り、
「何が問題なのか」を説明できるようになりました。
👉 これがあるだけで、
リハビリの説得力が一気に上がります。
③ 目標設定に自信が持てるようになった
以前は、なんとなく
- 「ADL自立」
- 「歩行自立」
といった目標を立てていました。
しかしMOHOでは、
その人にとって意味のある作業を重視します。
臨床での気づき
ある患者さんは、歩行は可能でも
「家に帰ってもやることがない」と話していました。
そこで
👉 「庭いじりを再開する」
という目標に変更したところ、
リハビリへの参加が大きく変わりました。
④ 患者理解が深くなった
MOHOでは、単なる身体機能ではなく
- その人の価値観
- 生活歴
- 役割
を重視します。
臨床での変化
同じ片麻痺でも
- 主婦だった人
- 会社員だった人
では、意味のある作業は全く違います。
👉 「その人らしさ」を考えるようになったことで
関わり方が変わりました。
⑤ リハビリの“理由”を説明できるようになった
以前は
「なんとなくこの訓練をやっている」状態でした。
ですがMOHOを使うことで
👉 「なぜこの介入が必要か」
を説明できるようになります。
臨床での変化
- 他職種への説明がしやすくなる
- 患者さん・家族の理解が得られる
👉 結果として
チーム医療がスムーズになります。
⑥ 関わり方が変わった
MOHOを学ぶ前は、
「できるようにさせる」関わりが中心でした。
ですが今は
👉 「その人が意味を感じる活動」を重視しています。
臨床での気づき
同じ訓練でも
- 意味のある活動 → 積極的に取り組む
- 意味がない活動 → 参加しない
👉 この差はかなり大きいです。
⑦ 作業療法が“楽しく”なった
正直これが一番大きいです。
MOHOを学ぶ前は
「何をしているのか分からない」状態でした。
ですが今は
👉 「作業療法らしい関わり」ができている感覚があります。
まとめ
MOHOを学ぶことで、臨床は大きく変わります。
- 「やる気がない」で終わらなくなる
- 評価の視点が明確になる
- 目標設定が変わる
- 患者理解が深まる
そして何より
👉 作業療法の面白さを実感できるようになります。
最後に
もし今、臨床で迷っているなら
MOHOは一つの大きなヒントになります。
自分もまだまだ勉強中ですが、
「患者さんの見え方が変わる」という経験は間違いなくありました。
この記事が、少しでも参考になれば嬉しいです。
※注意書き
本記事は、作業療法における一般的な理論的考え方を紹介することを目的としています。
個別の評価・治療・判断については、必ず担当の専門職と相談してください。
参考文献・参考資料
- 作業療法実践の理論
Gary Kielhofner(著), 山田孝(監訳).医学書院. - Kielhofner, G. (2008).
Model of Human Occupation: Theory and Application (4th ed.).
Lippincott Williams & Wilkins. - Kielhofner, G. (2017).
Model of Human Occupation: Theory and Application (5th ed.).
Wolters Kluwer.


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