MMSE評価時の注意点|正しく測定するために知っておきたい実践ポイント

学生向け

こんにちは、現役作業療法士のスマティーです。

今回は、新人セラピストや実習前の学生へ向けて

認知症評価MMSEの注意点をまとめてお話させていただきます


はじめに

認知機能評価として広く用いられている MMSE(Mini-Mental State Examination)
しかし、実施方法や声かけが統一されていないと、点数の信頼性が大きく損なわれる検査でもあります。

今回は、MMSEを正しく・公平に評価するための注意点を、臨床現場向けに分かりやすくまとめました。


MMSE実施前に準備するもの

MMSEを行う前に、以下を必ず準備しておきましょう。

  • MMSE評価用紙
  • 筆記用具(えんぴつ)
  • 時計 または 鍵
  • 白紙(図形模写・三段階命令用)

準備不足は評価エラーの原因になります。毎回同じ物品を使用することが大切です。


検査全体を通しての重要な原則

MMSEでは、検査者の関わり方が結果に影響します。以下の原則は必ず守りましょう。

  • すべての被検者に同じ対応・同じ言葉で実施する
  • 質問文の言い換え・補足説明はしない
  • 正解に導くようなヒントは出さない
  • 身体的理由で実施できない項目は省略し、省略理由を明記する

聴覚障害がある場合

  • 検査8(復唱)は省略
  • その他の項目は、指示文を紙に書いて提示し、提示後は伏せる

MMSE各項目の評価ポイントと注意点

見当識(時間・場所)

  • 季節の変わり目(3・6・9・11月頃)は、どちらの季節でも正解
  • 「梅雨」「初夏」などの表現も正答
  • 平屋の場合、「何階ですか?」は「1階」で正解
  • 地方名は「首都圏」「県南地方」など一般的な呼称でOK

記銘・遅延再生

  • 採点は1回目のみ
  • 順番が違っても正解
  • 遅延再生に備え、3語すべて言えるまで繰り返す(最大6回)

計算(100−7)

  • 誤答があっても最後まで続ける
  • 前の数から−7できていれば正解扱い
  • 例:
    93 → 87 → 80 → 73 → 65
    ○ → × → ○ → ○ → × = 3点

言語(呼称・復唱・理解)

  • 正答1つにつき1点
  • 言葉の順番違いは問題なし
  • 三段階命令は
    • 指示を一気に読む
    • チャンスは1回のみ
    • 作業を分けて指示してはいけない

書字・描画

  • 文は主語がなくても、意味が通れば正解
  • 文法・誤字・句読点の誤りは減点しない
  • 書字困難な場合は口述筆記し、その旨を記載
  • 五角形模写は
    • 角が10個
    • 2つの五角形が交差
    • 手指の震えは問題なし

MMSE点数の目安とADLとの関係

MMSEは診断ではなく、あくまでスクリーニングです。

  • 27点以上:正常
  • 24〜26点:境界領域(MCI)
  • 23点以下:認知症疑い

ADLとの関連

  • 23点以下:ADL障害が出始める
  • 18点以下:独居が困難になることが多い
  • 15点以下:在宅独居は困難な場合が多い

現場でよくある質問Q&A

Q. 病院名は正式名称でないとダメ?
通称・略称でも正解

Q. 三段階命令の紙のサイズは?
A4程度

Q. 環境は統一すべき?
雑音のない環境が望ましい

Q. 見当識の質問をまとめて聞いてもいい?
質問文は原則変更しない(回答に複数含まれてもOK)


まとめ|MMSEは「点数」より「測り方」が重要

MMSEは簡便な検査ですが、
実施方法が統一されていなければ、結果の意味が失われます。

  • 同じ言葉
  • 同じ手順
  • 同じ環境

この3つを意識することが、信頼できる評価につながります

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※注意書き

本記事は、作業療法における一般的な考え方を紹介することを目的としています。
個別の評価・治療・判断については、必ず担当の専門職と相談してください

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