こんにちは、現役作業療法士のスマティーです!
今回は、現場での悩みの1つでもある、目標設定について、私の身体分野・精神分野・訪問リハビリなど幅広い経験から分かりやすく解説していきます。

はじめに
「目標設定が苦手」
「何を書いても抽象的と言われる」
作業療法で一番つまずきやすい技術が、目標設定です。
しかしこれは、センスの問題ではありません。
結論|良い目標は「生活が浮かぶ」
最初に結論です。
良い目標設定とは、読んだ人がその人の生活を想像できる目標です。
ダメな目標設定の例
何がどう変わるのか、分かりません。
良い目標設定の例
生活場面が具体的に浮かびます。
なぜ目標設定が難しいのか?
理由は3つです。
- 評価が曖昧
- 生活を見ていない
- 「きれいな言葉」を使おうとする
目標は、上手な文章を書く場所ではありません。
目標設定が一気に楽になる問い
目標を書く前に、
次の質問を自分にしてください。
これだけで、目標は具体的になります。
まとめ
- 抽象的=ダメ
- 具体的=良い
- 生活が浮かぶかが基準
目標設定は、作業療法の方向性を決める羅針盤です。
評価ツール別|目標につなげる考え方
ここからは、OTがよく使う評価ツールを例に、
「評価 → 目標」への変換方法を見ていきます。
① FIM(ADL評価)|「点数」をそのまま使わない
よくあるNG例
これでは、何も伝わりません。
目標につなげる視点
FIMで見るべきなのは、
点数ではなく介助の中身です。
例:トイレ動作 FIM5点
目標への変換例
抽象的:ADLを改善する
具体的:1週間以内に、病棟トイレで、ズボンの上げ下ろしを見守りで行える
FIMは「どの部分を1段階上げるか」を考えるためのツールです。
② COPM|目標設定そのものが評価
COPMは、目標設定が苦手なOTほど使ってほしい評価です。
COPMで分かること
よくある失敗
目標への変換例
COPMで「家族と一緒に食事がしたい(重要度9)」と出た場合・・・・
抽象的:社会参加を促す
具体的:退院までに、家族と同じ食卓で15分間、食事がとれる
COPMは「この人にとって意味のある目標」を保証してくれるツールです。
COPMについての記事も書いているので参考にしてください→超シンプル!COPMとカナダモデルの関係
③ MMSE・HDS-R|点数より「つまずき方」
認知機能検査も、点数だけで目標を立てると失敗しやすいです。
NG例
見るべきポイント
目標への変換例
見当識の低下
外出時に混乱
記憶の低下
服薬忘れ
具体的目標:自宅で、服薬カレンダーを使用し、1日1回の内服を家族見守りで行える
認知評価は、「生活上の失敗場面」を見つけるためのツールです。
④ 精神分野の評価|症状ではなく「生活への影響」
精神分野では、症状名だけで目標を立てると危険です。
NG例
評価で見るべきこと
目標への変換例
具体的目標:週1回、OT同行で近所のコンビニまで買い物に行ける
精神分野の評価は「行動が止まっている場所」を見つけるために使います。
目標文テンプレート(評価つき)
〇週間以内に、
〇〇(評価で分かった課題)に対して、
〇〇(生活場面)で、
〇〇レベルで行える
記入例
2週間以内に、
下肢筋力低下により立ち上がりが不安定なため、
自宅トイレで、
手すり使用し見守りで立ち上がれる
まとめ|評価は「目標を作るための材料」
- 評価は取るためのものではない
- 目標は考えるものでもない
評価は、目標を引き出すための材料です。
目標設定で迷ったら、「この評価結果、生活の言葉に言い換えると何だろう?」
そう問い直してみてください。
参考文献
- 日本作業療法士協会.作業療法目標設定の考え方.
- Townsend E, Polatajko H. Enabling Occupation II.
- Bovend’Eerdt TJH, et al. Writing SMART rehabilitation goals.
- 石川斉.作業療法臨床実践ガイド.
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※注意書き
本記事は、作業療法における一般的な考え方を紹介することを目的としています。
個別の評価・治療・判断については、必ず担当の専門職と相談してください


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