こんにちは、現役作業療法士のスマティーです。
今回は、現役作業療法士の私が悩んでいたことについて書きたいと思います。
はじめに
「作業療法(OT)と理学療法(PT)の違いがよく分からない」
「説明しようとすると言葉に詰まる」
これは、作業療法学生・新人療法士だけでなく、
一般の人からもよく聞かれる疑問です。
この記事では、
作業療法と理学療法の違いを暗記せずに理解できる形で解説します。
国家試験対策だけでなく、現場や説明場面で使える理解を目指します。
結論|違いは「どこをゴールに見るか」
まず結論から言うと、
作業療法と理学療法の違いは、
支援のゴールを
「動き」に置くか
「生活」に置くか
という点にあります。
- 理学療法:動作・身体機能を中心に支援
- 作業療法:生活・役割・意味のある活動を中心に支援
どちらが上・下という話ではなく、役割の異なる専門職です。
理学療法とは?
理学療法は、主に
- 立つ
- 歩く
- 座る
- 体を動かす
といった、基本的な身体動作の回復・改善を目的としたリハビリテーションです。
理学療法の視点
- 関節可動域
- 筋力
- バランス
- 歩行能力
これらを評価し、「安全に・効率よく体を動かせる状態」をつくることに力を入れます。
作業療法とは?
作業療法は、その人が「どんな生活を送りたいか」を出発点に支援します。
ここでいう「作業」とは、
- 食事
- 更衣
- 家事
- 仕事
- 趣味
- 人との関わり
など、生活の中で意味をもつ活動すべてを指します。
作業療法の視点
- その人にとって大切なこと
- 生活背景
- 環境
- 役割
身体機能の改善も大切にしますが、それ自体がゴールではありません。
例:脳卒中後の方の場合
理学療法では
- 歩行練習
- 立ち上がり動作の改善
- バランス訓練
を通して、移動能力や機能回復を目指します。
作業療法では
- 食事動作の工夫
- トイレ動作の練習
- 家事や趣味への再挑戦
など、生活の再構築を目指します。
●同じ対象者でも、見ているゴールが違うことが分かります。
なぜ「違いが分かりにくい」のか?
作業療法と理学療法の違いが分かりにくい理由は、次の3つです。
- 現場では両者が連携して関わる
- 身体機能を扱う点が重なっている
- 「生活」という概念が見えにくい
特に作業療法は、成果が数値で見えにくいため、誤解されやすい傾向があります。
学生が覚えると楽になる整理の仕方
暗記ではなく、次の視点で整理すると混乱しにくくなります。
- PT:
→「この人は、どう動けるようになると楽か?」 - OT:
→「この人は、どんな生活ができるとその人らしいか?」
この問いの違いが、思考・評価・介入の違いにつながり、臨床推論の段階から違いがでます。
まとめ|OTとPTは「役割の違うパートナー」
- 理学療法:動作・身体機能を支える専門職
- 作業療法:生活・意味のある作業を支える専門職
両者は対立するものではなく、同じ対象者を支えるパートナーです。
この違いを理解できると、実習や現場での見え方が大きく変わります。
参考文献
- 日本作業療法士協会.作業療法の定義と目的.
- 日本理学療法士協会.理学療法とは.
- Townsend E, Polatajko H. Enabling Occupation II. CAOT Publications.
- Kielhofner G. Model of Human Occupation. Lippincott Williams & Wilkins.
- 厚生労働省.リハビリテーションの概要.
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※注意書き
本記事は、作業療法における一般的な考え方を紹介することを目的としています。
個別の評価・治療・判断については、必ず担当の専門職と相談してください


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