はじめまして、スマティーです。
認知症では、認知機能の低下に加えて、抑うつや不眠、摂食障害など、さまざまな行動・心理症状が出現します。
これらの症状は環境や体調の影響を受けやすく、早期の気づきと適切な関わりが重要です。
本記事では、代表的な症状について特徴と対応のポイントを簡潔に整理しました。
今回は、part1・2・3・4に分けて説明していきます
じゃあ、さっそく見ていきましょう!

幻覚(Hallucination)
特徴
幻覚とは、実際には存在しないものを知覚してしまう状態を指します。
認知症では幻視が多くみられ、見えない人や物、動物などが見えると訴えることがあります。
不安や睡眠の乱れ、体調不良、環境の影響が関係していることもあります。
対応のポイント
- 薄暗さや一人きりの状況など、不安を強める環境を避ける
- 睡眠リズムが乱れていないか確認する
- 幻覚を頭ごなしに否定せず、安心できる声かけを行う
- 話題や行動を変えて、注意を別の方向へ向ける
- 視線を変える、場所を移動するなどして刺激を調整する
物取られ妄想(Delusion of Theft)
特徴
物取られ妄想とは、「誰かに物を盗まれた」と思い込んでしまう被害妄想です。
アルツハイマー型認知症でよくみられ、疑いの対象は家族や介護者など身近な人になりやすいのが特徴です。
原因ははっきりしていませんが、視力や聴力の低下による見間違いや思い違いが関係すると考えられています。
対応のポイント
- 不安や孤立感が強くなっていないか確認する
- 妄想を否定せず、一緒に探す姿勢をとる
- 話題を変えて注意をそらす
- 視力・聴力に合った環境を整える
- 代用品でも困らないことを伝え、安心感を与える
大声(Disruptive Vocalization)
特徴
大声は中等度の認知症で起こりやすい行動症状です。
特に日中(10〜14時)や夜間(22〜翌6時)に出やすいとされています。
対応のポイント
- 起こる時間帯や環境を把握する
- 痛みや体調不良がないか確認する
- 不快な環境(騒音・明るさ)を調整する
- 安心できる関わりを心がける
- 静かな音楽や付き添いで落ち着きを促す
易怒性・怒りっぽさ(Irritability)
特徴
怒りっぽさは認知症の早い段階からみられることがあります。
指摘や制止、十分に理解できないままの介助がきっかけになることが多いです。
対応のポイント
- 穏やかな声で、分かりやすく伝える
- 否定や強制を避ける
- 怒りが強い時は無理に関わらず待つ
- 原因が分かれば、できるだけ避ける
参考文献・参考資料
・厚生労働省『認知症施策推進大綱』厚生労働省,2019.
・日本神経学会『認知症疾患診療ガイドライン2017』医学書院.
・日本老年精神医学会『BPSD(認知症の行動・心理症状)への対応ガイドライン』日本老年精神医学会.
・日本老年医学会『高齢者ケアの意思決定プロセスに関するガイドライン』日本老年医学会.
・標準作業療法学 認知症 奈良勲・他 編,医学書院.
・作業療法臨床実践ガイド 認知症 日本作業療法士協会 監修,協同医書出版社.
認知症ケアのパーソン・センタード・ケア トム・キットウッド著,筒井書房.
・Alzheimer’s Association Dementia Care Practice Recommendations Alzheimer’s Association.
・World Health Organization Dementia: A Public Health Priority WHO, 2012.
・老年期精神障害の臨床 新井平伊 編,南江堂.
家族向けシリーズ|ここまで読んでくださった方へ
※注意書き
本記事は、作業療法における一般的な考え方を紹介することを目的としています。
個別の評価・治療・判断については、必ず担当の専門職と相談してください。


コメント