こんにちは、現役作業療法士のスマティーです。
作業療法の勉強やクライアントの評価をしていると、「身体機能やADLは分かるけれど、この人の生活全体をどう捉えればいいのだろう?」と感じることはありませんか
そんなときに役立つのが 川モデル です。
川モデルは、日本の作業療法士によって考えられた理論で、大範囲理論に分類されます。
対象者の人生や生活を「川」にたとえて理解するのが特徴です。
川モデルを一言でいうと
人生を川に例えて理解する
病気や障害だけでなく、
生活・環境・人との関係・価値観まで含めて考えます。

川モデルの基本構造(超シンプル)
① 川の水=生活・人生の流れ
- 毎日の暮らし
- 人生の時間の流れ
- 「その人らしい生活」
水がよく流れているほど、生活がうまく回っている状態です。
② 岩=困難・問題点
- 病気や障害
- 痛み、不安、抑うつ
- 認知機能の低下 など
岩が大きければ大きいほど、水の流れはせき止められます。(大きさは人それぞれ)
③ 川底=環境
- 家族関係
- 住環境
- 社会制度や文化、価値観
*日本では、「家族を優先する」「周囲に合わせる」といった価値観も川底になります。
④ 流木=その人の強み・資源(ポジティブ!!)
- 得意なこと
- これまでの経験
- 支えてくれる人
- 趣味や役割
流木は、岩を動かす力になります。
⑤ 川岸=社会的な枠組み
- 家庭内の役割
- 仕事や地域での立場
- 周囲からの期待
川岸が狭いと、水はあふれやすくなります。
川モデルを考える上で、1番大切なポイント
正解の絵はない(人それぞれ)
川モデルに「正しい川の描き方」はありません。
- 本人がどう感じているか
- 何を大切にしているか
一緒に話しながら描くこと自体が支援です。
なぜ日本の臨床に合うの?
日本では、
- 「自立しなきゃ」とは言いにくい
- 「家族のために頑張りたい」
- 「周りと同じでいたい」
と考える人が多くいます。
川モデルは、個人だけでなく、家族・文化・人間関係を自然に扱えるため、日本の作業療法ととても相性が良いモデルです。
COPMとの関係を超簡単に
まず結論
- 川モデル:生活全体を整理する
- COPM:大事な作業をはっきりさせる
使い分けイメージ
- 川モデルで全体像を見る
- どこで流れが止まっている?
- どんな強みがある?
- COPMで焦点をしぼる
- 本人にとって一番大事な作業は?
- どれくらい困っている?
川モデルで方向を決めて、COPMで目標を定める
この組み合わせが臨床ではとても使いやすいです。
まとめ
川モデルは、病気や障害だけを見るのではなく、対象者の人生や生活を「流れ」として捉えるための作業療法モデルです。川の水・岩・川底・流木・川岸という身近なたとえを使うことで、対象者自身とOTが状況を共有しやすくなり、本当に大切にしたい生活や作業が見えてきます。
評価や目標設定に迷ったときこそ、「この人の川は今どう流れているのか」と立ち止まって考えてみることが重要です。川モデルは、対象者の思いや価値観を尊重しながら支援を考えるための、対話を大切にした作業療法の考え方と言えるでしょう。
川モデルには、評価用紙ではありません
「この人の人生の流れは、今どうなっているんだろう?」
そう考える視点をもつことが、OTとしての大きな一歩です。
引用・参考文献
岩間英二.作業療法臨床における「川モデル」―生活を流れとして捉える評価と実践―.三輪書店,2006.
岩間英二.作業療法の視点―作業・生活・意味を捉える―.三輪書店,2011.
Law M, et al. Canadian Occupational Performance Measure (5th ed.). CAOT, 2014.
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※注意書き
本記事は、作業療法における一般的な考え方を紹介することを目的としています。
個別の評価・治療・判断については、必ず担当の専門職と相談してください


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